2014年2月20日木曜日

ライフキャリアレインボー


 「時間が足りない!」「1日が30時間だったらいいのに・・」「やることが多すぎてまわらない」
そう思うことは誰でもあると思います。

思い起こせば私もいつも、そう思っているように感じます。
学生時代は、部活に明け暮れ、友達と遊び、試験勉強に集中し・・
社会人になってからも、寝る間も惜しんで仕事に集中していた時期、新たに学びたい勉強と仕事を両立していた時期、そして、あっという間に3児の母となり家庭と仕事の両立をしている現在。

もちろん今もバタバタの生活を送っていますが、そんな私がいつも「ヒント」にしているのが、社会人5年目に「キャリアカウンセラー」資格取得で知った「ライフキャリアレインボー」です。

ドナルド・E・スーパーは「キャリア」を、人生のある年齢や場面の様々な役割の組み合わせであると定義し、この概念をレインボー(虹)に例え、8つの役割を説明しています。


人生における役割は、様々な「場面」、つまり、家庭・学校・職場・地域社会などで演じられるものであるとし、個人はこの役割をいかようにも組み合わせることができるとしています。

学生時代は、①息子・娘、②学生、⑦余暇を楽しむ人、の役割がほとんどだったけど、社会人になると、③職業人が加わり、その役割の比重がかなり大きくなったり、そこでもっと勉強したいことに出会い、②学生(学ぶ人)の役割を付け加えたり。
結婚すると、⑤ホームメーカーの役割が出てきたり、子供を産むと、⑥親の役割の比重が当然増えてくる。
当たり前と言えば当たり前のことですが、この理論を知った時、とても納得し、自分自身の役割を調整していくことの大事さに気づきました。

ではこの理論をどのように活用できるか?
例えば、私が今でもよくやっているのが、現在の①から⑧の役割の比重を数値化させ、本当はこうありたい役割の理想比重を数値化させ、その2つを比べてギャップを見える化することです。
そしてこのギャップをうめるためにどうすれば良いかを考えてみます。
今の私でいうと・・・↓


●息子・娘としての役割は減っているけど、もっと大事にしたい。親と一緒に過ごす時間を作っていきたい。(①)
●社会人としてまだまだ学びたいことはあるから、学生としての役割を少しでも増やしたい。(②)
●配偶者としての役割も昔のようにもう少し増やしたい。(④)
●子供がまだ小さく3人もいるんだから、子供との時間をもっと増やして大切に育てたい。(⑥)
●そのためには、ホームメーカーの割合を減らせないだろうか・・・配偶者と協力できないか。(⑤)
●仕事は現状でも満足できる働き方をできていないが、今の時期は調整して時間を減らすしかない。質で勝負できるように短い時間でも集中して頑張ろう!(③)
●自分の時間は少ないけれど、今は時間を見つけてたまにリフレッシュできているから今くらいで頑張ろう(⑦)

今ここでは、自分の現状と理想のみで書いています。
しかし、その中にはお金や人などでの制限が出てくることも大いにあり、そこも考えていかなければ成り立たないのですが、まずはそのギャップを見える化するだけでもスッキリします。

あとは、上記8つの役割について、自分が10年後どうありたいかを考え、それぞれの役割についてしっかり記述していく方法も有益です。
自分がどうありたいかを役割ごとに明確化することで「キャリア」を考えることができますし、そのために今やるべきことはなんなのか、を考えるきっかけにもなります。

1日24時間、みんな同じ条件の中で、どの役割を選択していくか。
人生における役割は、自分で自由に組み合わせることが出来ます。
その中で自分らしさを見出しながら、自己実現をしようとする、これこそがまさに「キャリア」ですね。
この様々な役割をうまく果たすことができ、本人が満足できる場合に、その人の「キャリア」は成功していると言えると思います。

「ライフ・キャリア・バランス」をとりながら、自分らしく成長していきたいですね!
そのきっかけに「ライフキャリアレインボー」を考えてみてはいかがでしょうか。


2014年2月14日金曜日

Black or with milk ?


皆さんはコーヒーを飲むときはミルクを入れますか?
ミルクがコーヒーの中に広がっていく様子はおもしろいですよね。
ミルクを垂らしたばかりのときは、黒いコーヒーの中に
白いミルクの存在感があって大理石のような感じですが、
だんだんとミルクはコーヒーの中に拡がっていって、
やがて均一になり明るい茶色のミルクコーヒーになっていきます。

このミルクがコーヒーの中に拡がって混ざっていく現象を物理学の世界では
「エントロピー(乱雑さ)が増大する」と言うそうです。
自然界は、意識して特別な力を加えずに、そのまま放っておくと
「秩序のある状態」から「無秩序の状態=乱雑な状態」に向かいます。
これを「エントロピー増大の法則」といいます。

ミルクをコーヒーに垂らした瞬間が、エントロピーが最小な状態で、
時間が経って均一に混じってしまった状態(乱雑な状態)を
エントロピーが最大の状態である、ということです。

エントロピーの増大は、基本的には不可逆な現象なので
何か特別なことをしない限り元には戻りません。
ミルクが均一に混じったコーヒーの中(エントロピー最大)から、
ミルクだけを取り出す(エントロピー最小)には、
そのままほっておいてもダメで、
特殊なフィルターなど特別なモノや力が必要になることは
容易に想像がつきます。

一般に「エントロピー増大の法則」は
自然界の現象を説明するために使われますが、
我々の社会生活の中に於いても適用は可能だと思います。

例えば、人と人との関係性にも「エントロピー増大の法則」が当てはまります。
皆さんの属する組織は、何もしなければ、
自然界と同様「エントロピー増大の法則」に従って
無秩序や乱雑な状態になっていくという訳です。
自分の属する会社や学校、家族が無秩序な状態は大変だし、嫌ですよね。

人との関係性の「エントロピー増大の法則」を抑えるには
どうすればよいのでしょうか?
一度、壊れてしまった組織(エントロピー最大)を
秩序ある状態(エントロピー最小)に戻すには、
ミルクコーヒーからミルクだけを取り出すことが難しいように、
相当な力を必要とします。

強いリーダーシップを発揮する誰かに頼ったり、大掛かりな改革を起こしたり、
いろいろと強力な施策はあるでしょう。
それでも組織に秩序を戻すのは難しいかもしれません。

組織が壊れてしまう前に、
常日頃から、「エントロピー増大の法則」に少しずつ逆らい、
秩序を保つのが得策のように思えます。
これには、日ごろからの簡単な挨拶や、些細なコミュニケーション、
相手を認める行為などがとても有効であると思います。

いろいろな会社に伺うと、単にすれ違うだけでも、社員の皆さんから
心のこもった挨拶をして頂ける会社を見受けることがあります。
所謂「マナー」や「礼儀」「躾」が出来ている会社なのでしょうが、
「私」の存在を認めて頂いて嬉しく思います。
往々にしてそのような会社は社内のコミュニケーションも
円滑に取られているし、会社の雰囲気も良く
高い業績を上げている場合が多いと思います。

当然のことですが会社や組織は人の集まりです。
人数の大小は関係なく、組織の中にいる人々がひとつにまとまって
「秩序のある状態」でないと成果が出ないのは言うまでもありません。
組織をまとめる、つまり人との関係性の「エントロピー増大の法則」に
逆らうには、何気ない「挨拶」や些細な「会話」が
まずはスタートなのではないかと思います。

2014年2月7日金曜日

ジョブクラフティング




NHKのEテレで毎週放送している
「白熱教室」という番組をご存知でしょうか?

ハーバート大学やスタンフォード大学などで
実際に行われた講義がそのまま放送されている番組です。

テーマも様々。

「リーダーシップ」「キャリア」を始めとする
ビジネスに関するテーマ。
「生き方」「幸福とは?」といった
そもそもの人生の根源的なテーマ。
時には「数学」「物理学」「映像技術」など、
様々なジャンルの講義が展開されています。

ひょっとするとご覧になったことがある方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

その中の一つ「幸福」をテーマにした「幸福学白熱教室」で
大変興味深い話がありました。


イエール大学経営大学院准教授のエイミー・レズネスキー氏によれば、
人と仕事の関係、つまり「仕事」を自分のどこに位置づけるのか?
ということに関して、

1)Job(ジョブ):報酬の為に働く仕事
2)Carrer(キャリア):向上の為に働く仕事
3)Calling(コーリング):社会的意義の為に働く仕事

の3つがあり、最も幸福度が高いのは
「Calling(コーリング)」だと説明しています。

では、私たちが仕事をCalling(コーリング)と
捉えられるようになる為にどうすべきか?
その3つのアプローチの方法が
「ジョブクラフティング」という言葉で紹介されています。

①「社会的な交流の質や量を見直す」 
②「仕事の意義を拡げる」
③「仕事のやり方や範囲を見直す」

仕事への向き合い方を意識的に変えながら実際に行動に移すことが、
自分自身の「人生」そのものをより幸福なものにできるのかも知れません。

ジョブクラフティングは誰かに言われてやるものではなく、自分がすること。
自分の人生をより幸せに過ごしたいと思うのであれば、
人生を「主体的」に生きるとまず「決意」することなのではないでしょうか。


現在弊社では、2015年度の新卒採用活動を行っていますが、
2月に学生のみなさんに向け、
「ワクワクドキドキできる就職活動~活躍できる社会人になる為に~」
というテーマで就職活動応援セミナーを予定しています。

仕事とは何なのかをもう一度見直してもらい、
将来に繋げる就職活動にしてもらいたいと思っています。

今後私たちも人事コンサルティングの仕事を通じて、
関わる多くの方々が仕事を「Calling」として捉え、
仕事に費やす時間を「お金では買えない価値あるもの」にできる、
そんなサービスを提供したいと思います。